ひろゆき氏の考えから学ぶ。「過去の話は持ち込まない」という指導。

名言から学ぶ

小学校段階において、どの学年でも子ども同士のトラブルは起きます。

子ども同士のトラブルを指導した際、「◯◯くんもこの前同じこと言ってきた!」「この前◯◯ちゃんにも同じことされた!」と言い返す子どもがいました。

私は小学校の6学年のうち、4つの学年(低・中・高と分かれています)を担任したことがありますが、どの学年のトラブルでも似たようなやりとりがありました。

トラブルに対して指導していて、このように「だってこの前・・・」や「◯◯も自分に嫌なことをしてきたことがある」といった話が出てきた場合、どのように対応していますか?

「子どもたちの話に耳を傾けつつ、指導すべきことは指導する。なおかつ子ども自身が納得して終わる。」というところまでを指導のプロセスだと考えると、限られた時間の中で対応していくのは非常に難しいことです。

今回は、私が共感したひろゆき氏の言葉をもとに、指導に活かすための考え方をお伝えしたいと思います。

ひろゆき氏についてはご存知の方も多いと思いますので、wikipediaから引用させていただきます。

日本実業家論客。日本最大級の匿名掲示板2ちゃんねる」開設者。英語圏最大の匿名掲示板「4chan管理人(株式の約10%を保有[注釈 3])。東京プラス株式会社代表取締役[13]。有限会社未来検索ブラジル取締役[14]愛称通称は「ひろゆき[19]。または「論破王[2]

wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/西村博之

怒った時に過去の話をしない

ひろゆき氏は、過去に行った対談の中で、夫婦で大切にしているルールとして、怒った時に過去の話をしない、ということを挙げられています。

「あの時こんなことがあったじゃないか」ということを言い始めてしまうと、一緒にいる期間が長ければ長いほど、相手を攻撃する材料が増えていくことになります。したがって、今の争いごとに過去の問題を持ちこまない、というルールにしているそうです。

ひろゆき氏のこの発言を知り、私は子ども同士のトラブルへの指導に活かすようになりました。

私の指導の軸としては3点あります。

問題視しているのは過去のことではなく、現在起きているトラブルだということを伝える

 不適切な言動を指導される子ども側の立場から考えると、「だってこの前・・・」と言いたくなる気持ちも分かります。そのような言い返しには、いくつかのメッセージが込められている可能性があります。

例えば、「過去の出来事があったから、今自分は不適切な言動をしてしまった」という事実のつながりの説明、また指導されることからの逃避(いわゆる言い訳)です。

前者であれ後者であれ、子どもの発言自体を否定することはしません。なるほど、と耳を傾けます。

しかし、「言っていることは分かりました。でも、過去がどうであれ、今あなたが不適切な言動をしたということはまぎれもない事実です。私は、今起きていることについて話をします。」と指導の視点を明確にさせます。

過去の話はどうしようもないことであり、攻撃にしかならないということを伝える

過去の話に対する理解は示した上で、「今その話をされても、私としては何もできない」ということを伝えます。

その当時は暴言を吐いてしまっていた相手側の友達が、その過去を自分で反省し、今はもう改心しているかもしれません。

過去の出来事を「今」に持ち出して指導するのは、とても難しいことなのです。

「今からではどうしようもない過去の話を持ち出すのは、相手を攻撃することにしかならない。
これからに向けて、今起きたことを振り返って考える時間にしよう」と伝えます。

過去に嫌な思いをした、という事実は受け止める

1点目でも述べましたが、子どもの発言自体を否定することはしません。

「過去の話」と「いま指導すべき話」を区別することは重要ですが、その子どもが過去に味わった悲しみや苦しみを無視するわけではありません。

過去にそういうことがあって、あなた自身もつらい思いをしていたわけなのだね。過去のことが原因で、今回のトラブルが起きたのだね。と理解を示した上で、「それでもやはり、教師として今回の言動を見過ごすことはできない」という毅然とした指導を行います。

「どんな事情があったとしても、超えてはいけない一線がある」ということを指導しなければ、子どもの身近にいる大人としての責任は果たせません。

最後に

今回は、ひろゆき氏の言葉を参考に、子ども同士のトラブルへの指導の在り方について考えました。

トラブルに至るまでの背景には理解を示しつつ、それでも今回の出来事を見過ごすわけにはいかない、という明確な線引きが重要です。

トラブルの前後関係を見極めるとともに、現在起きているトラブルにしっかりと対応することが、子どもの「だってこの前・・・」という悲しい発言を減らすことにつながっていくのだと思います。

タイトルとURLをコピーしました