新任・若手教師だからこそできる!子どもと一緒に学級をつくる学級経営の方法とは。

学校教育

学級経営と言っても、どんなことをすればいいのか分からない。

子どもとの信頼関係を築く自信がない。

学級づくりに不安を抱えている初任者若手教員は多いと思います。
私もその一人です。

よりよい学級づくりを行うために、
同じ職場の先生からアドバイスをいただく。
学級経営について書かれた教育書を読む。
インターネットで実践を調べる。

など、さまざまな方法を試している先生も多いかと思います。

今回は、学級経営に悩む同志として、私が実践している学級経営の取組について共有したいと思います。

この実践が効果的かどうかは、
○学年
○学級の実態
○教師の教育観
○子どもへの寄り添い方(どのような関わり方を得意としているか)
などによって異なるとは思います。

あくまでも、数多くある手法のうちの一つとして捉えていただければ幸いです。

結論から述べると、私が実践している取組は、「先生へのリクエスト」を書かせることです。

イメージが湧くような、湧かないような…そんな感じでしょうか。

詳しく説明します。

「先生へのリクエスト」とは?

その名の通り、子どもたちに「先生へのリクエスト」を書いてもらう取組です。

授業中のこと、休み時間のこと、当番や係活動のこと、学校生活のこと、宿題のことなど、子どもたちが考える「こうしてほしい」「もっとこういうふうになったらいいのに」という思いをひたすら書いてもらっています。

月に1回〜数ヶ月に1回のペースで実施します。
各校で行われている「学校生活に関するアンケート」や「いじめ調査アンケート」などのタイミングに合わせて、セットで実施しています。

目的は?

私はこの実践に、3つの教育的効果を見出しています。

目の前の子どもが相手

そもそも、学級経営とは何でしょうか。

学級経営は、学級担任と児童との相互教育作用を通して、学習や学校生活の基盤となる望ましい学級を築きあげていく実践活動です。学級経営には、児童理解、学習指導、児童指導、教育相談、教室環境等整備など様々な側面があり、学級経営を充実させるためには、それを複合的に展開することが重要となります。

子どもが輝く学級経営につながる学級担任の指導ポイント,神奈川県教育委員会教育局,平成31年
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/10861/gakkyuukeiei3.pdf

学級経営とは、教師と子どもたちが、望ましい学級を築きあげていく実践活動のことです。

つまり相手は、自分が担任する学級の子どもたちです。

アドバイスをくださる職場の先生の学級でもなく、教育書の中に出てくる学級でもありません。

教員が担任する学年や学級は、基本的に1年ごとに変わります。

また、異動などによって、数年単位で勤務校も変わります。

「昨年度効果的だった指導方法や授業の工夫が、今年度は全く機能しない」なんてことも十分あり得るわけです。

担任する学年の発達段階や、子どもたちの実態に沿って、その時その場で求められる指導や支援の在り方は絶え間なく変わります。

子どもたちとの信頼関係を構築している先生は、この対応が上手なのだと思います。

教員4年目の私には、まだそんな対応力もなければ、学級経営に関する十分な経験も知識もありません。
ですから、当事者である子どもたちから直接、学級をよりよい方向へ導くためのアイデアを募ることにしたのです。

学ぶ姿勢を見せる

正しい道を示し、教え導くのは教師の役目です。たとえ子どもに嫌われようとも、指導すべきことは何度でも繰り返し指導すべきです。

教師は、子どもに好かれるために仕事をするわけではありませんし、「好かれること」と「信頼されること」は似て非なるものですから。

教師という仕事の特性上、子どもたちにとって教師は、どうしても「ああしなさい」「こうしなさい」「努力しなさい」と口うるさく繰り返す存在になりがちです。

そんな中で、教師として私が最も避けたいのは、子どもに「口で言うだけ」「指導するだけ」といった、成長を止めた姿を見せることだと考えています。

中央教育審議会が取りまとめた、2020年代を通じて実現すべき教職員の姿についての答申を抜粋します。

教師が技術の発達や新たなニーズなど学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、教育生涯を通じて探究心を持ちつつ自律的かつ継続的に新しい知識・技能を学び続け、子供一人一人の学びを最大限に引き出す教師としての役割を果たしている。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申),中央教育審議会,令和3年

学びを得る対象は、年上の先生や教育書だけではありません。

目の前にいる子どもたちからも、多くのことを学べると思っています。

同じ教室で1年間を一緒に過ごす集団の中の一人として、先生だって努力していきたいんだ、という思いを伝えます。

その上で「先生へのリクエスト」を書いてもらうのです。

子どもたちからの「こういうふうにしてほしい」という生の声を、学級の子ども全員からもらえるのは、非常に貴重なことだと思います。

子どもが自ら環境をつくる

「子どもが大人に言ったところでどうせ無駄」という経験をさせたくない、という思いがあります。

私が中学生だった頃の話を例に挙げますが…。

私は生徒会長をしていました。
当時の生徒会担当の先生は、生徒の考えを真剣に聴いてくれる方でした。
最近では「ブラック校則」という言葉も耳にしますが、「今の状況を変えたい!」と考える児童生徒は一定数います。
そんな中で、私が通学していた中学校で当時挙がっていた意見は「体操服がダサい」というものでした。

「じゃあ、体操服が変わるように行動してみる?」とその先生から言っていただき、実際に生徒総会の議題として取り扱うことになりました。

その後、議題は職員会へと持ち上がりました。そしてなんと、実際に4着程度の新しいデザインのサンプルを業者から取り寄せてもらえることになり、校内で一定期間展示(保護者も見学可)することになったのです。(きっと、担当の先生が尽力してくださったのだと思います。)

保護者へのアンケート調査も実施した結果、結局のところ、新しいデザインに変更することは叶いませんでした。(保護者は、おさがりなどの観点から現行のデザインを望んでいたため。)

しかし、私は「自分たちの行動で、ここまで状況を変えることができるのか!」と雷に打たれたような衝撃と充実感を得ていました。

その後、「トイレにしか設置されていない鏡を、廊下の手洗い場にも設置してほしい」という同級生からの意見を吸い上げ、またまた職員会にかけてもらった結果、今度は実際に鏡の設置工事が行われることになりました。

適切な方法で、適切な声のあげ方をすることで、子どもだって、大人相手だって、現状を変えていくことはできる」という経験をさせたい。

そんな思いも込めて、先生へのリクエストという取組を続けています。

素早くフィードバックする

子どもたちからは、思わずクスッと笑ってしまうものから、教師の力不足を的確にグサッと突くものまで、幅広い意見が出てきます。

とても内気で、授業でも1年間で数えるほどの挙手回数だった子どもから「先生と毎日外で遊びたい」という意見をもらったこともありました。

また、「もっと目を合わせて話をしてほしい」という手厳しい意見をもらったこともあります。

時間に追われて一日中バタバタしている仕事ですから、丸つけをしながら、他の仕事や数分後に始まる次の授業の準備をしながら、子どもたちと向き合うことが多くなってしまっていたのです。

子どもの意見が的確すぎて、ただただ反省しました。

「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、先生へのリクエストを記入させた後は回収し、子どもたちの前ですぐに全て目を通します。

そして、答えられるものについてはその場で回答します。

じっくり回答を準備したいものについては、その日のうちに整理し、翌日のうちにフィードバックします。

「自分の声がきちんと教師に届いている」
「自分の思いが実現に向かって動き始めている」

という経験をさせるためにも、レスポンスの速さは重要な要素だと思います。

ただし、実現が難しいもの(時間割や学習内容など、学級担任の裁量の範疇にないもの)については、理由を明確に伝えた上で「これは実現できません」とはっきり伝えることも大切です。

最後に

教員3年目に始めた取組ですが、今では私の学級経営の定番のようになっています。

これまでに、
○教室後方に「係からのお知らせコーナー」を作る。
○イラスト係が主導となって、クラスのマスコットキャラクターを作成する。
○朝の会・帰りの会(自治体によって名称が異なると思いますが)の内容の見直し
○席替えの方法の変更
○宿題の集め方の改善

など、教師だけでは思い浮かばなかったであろうアイデアも多く集まりました。

教師主導で線引きをする部分と、子どもたちに委ねながら決定する部分を明確に区別し、ほどよい自由度のある学級を目指したいと思います。

教師と子どもをつなぐ架け橋の一つとして、この「先生へのリクエスト」を提案させていただきます。

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